写真はソ連が崩壊する1年前に進出したマクドナルド1号店。資本主義国のファストフードと接客サービスが共産主義に与えた衝撃は、この一枚の写真だけで伝わってくる。当時はバーガー1個で高価な食事であったが、オープン当日の客は3万5千人以上であったという。
なぜこの写真を選んだのか?「産業と技術革新の基盤をつくろう」のターゲットに、開発途上国におけるインフラ開発や技術開発の促進がある。この促進により写真以上の衝撃が開発途上国の人に生じるであろうと思うからだ。もちろん文脈が異なるため安易に結びつけられないが、開発途上国において新しい価値や技術が開発され便利になることを、写真のように待ちわびている人がいるかもしれない。と同時に、もし技術先進国と呼ばれる国がその立場を利用して上から技術を押し付けるような方法をとれば、“マックを待ちわびている程度の人”しか先端技術を待っていないのではという思いも込めて選んだ。(田崎 正和)
[立正大学大学院]
ここに掲載されているAFPWAA WORKSHOP作品に於ける「作品タイトル」と「本文(日本語部分)」はあくまでも応募者の見解であり、写真英文キャプション及びAFP通信の報道と必ずしも一致するとは限りません。