企業インタビュー(2) 株式会社CAMI&Co.様

通称「五反田バレー」地区をベースに、STI(科学技術イノベーション)の力でSDGs(2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標)などの社会課題に挑戦する、素敵な企業をご紹介するシリーズ。

第二弾は、IoTでデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する、株式会社CAMI&Co.様です。

2019年9月20日、東五反田の五反田S&Lビル7階にある株式会社CAMI&Co.(キャミーアンドコー)様におじゃまして、CEO神谷雅史様にお話をうかがいました。今回は「次世代レポーター」として立正大学品川キャンパスの学生も取材に参加しました!

また、株式会社CAMI&Co.は、この取材から10日後の2019年10月2日、新サービス 「IoT-DX-Kit」をリリース、同時にRPAホールディングス株式会社との資本業務提携を発表しました。当日、博報堂ラーニングスタジオで開催された発表会も取材させていただきましたので、記事の最後にはその様子も併せてお伝えします。

株式会社CAMI&Co. 代表取締役 神谷 雅史 氏

ーー2019年3月に神谷さんが出版された『最新 図解で早わかり IoTビジネスがまるごとわかる本』にサインをいただいた後、早速インタビューに入り、専門的なお話をわかりやすくかみくだいて教えていただきました。

五反田バレーの企業株式会社Cami & Co.のPaPeRo iによる紹介。
2019年09月20日撮影。©︎(有)ラウンドテーブルコム。2019年度品川区五反田バレー魅力発信事業。

IoT+DX→新たな価値創出

ーーCAMI&Co.とは、どんな会社ですか?

すべてのモノをIoT化し、インターネットに繋げて新たな価値を生む、というのが株式会社CAMI&Co.の大きなミッションです。創業当初からIoTに関するコンサルティング、ハード製作、ソフト開発、教育等に取り組んできました。もともと私は大学で、いつでもどこでも必要な情報に繋がるというユビキタスの研究をしていました。それが15年経っても全然進んでいないことがもどかしく、どうしたらもっと進むだろうかと、そのような環境の普及を促進する会社を始めました。

最近は、IoTを普及させた先にある「デジタルトランスフォーメーション(以下DX)」をキーワードに活動しています。IoTを使って全産業でDXを巻き起こすことが、豊かな世界を実現することだと考えています。

株式会社CAMI&Co. 受付

ーー今、世界には、SDGsに掲げられているような様々な課題がありますが、CAMI&Co.が目指す「豊かな社会」とは?

我々が目指す「豊かな世界」とは、すべてのモノがIoT化され、DXが実現すると、人にとって、より便利な社会になる、時間を有効に使える、人と人がより繋がる、コミュニケーションが豊かになる、そういう世界ですね。

ーーそういった社会課題に挑戦するCAMI&Co.の取り組みや、課題解決につながる技術についてお聞かせください。

2019年10月2日に弊社からIoT-DX-Kitという格安IoT/DX環境構築ソリューションをリリースします。従来、IoTやDXを実現するには、技術的な課題があり、膨大なコスト・時間がかかっていました。そのため、IoT/DXの導入率がなかなか伸びませんでした。「IoT-DX-Kit」は、そのような技術・コスト・時間の問題を解決し、日本をはじめ世界中のIoT/DXを実現する、革新的なサービスです。

これまでは、すべてのモノをIoT化するとなると、近くにアンテナや基地局がないとできませんでした。ところが最近、その場から数十キロ、しかも超ローパワーで飛ぶ通信技術が開発されてきて、今までできなかった、すべてのモノをIoT化することができるようになりました。我々は第一弾として自社開発の基板を作り、月額1,000円*から1,000種**のIoT/DXソリューションが使えるサービスのラインアップをリリースします。それによって、IoTもDXも身近になり、人々の生活が今までより便利になっていくでしょうね。(*キャンペーン価格を含む、**随時開発中)

手軽に、シームレスに。技術を意識せずに、IoTを自然に使っている、そういう世界が来ると思っています。もともとユビキタスがそういう考え方に基づいていたのですが、IoTになるともう少し概念が広がったため、いつでもどこでもという感じではなくなっていたのが、再びユビキタスの概念に近いところに戻ってきたのかなという感じです。

手軽に、身近に

ーー新製品IoT-DX-Kitで、人々の生活が具体的にどう変わるのでしょうか?

将来的には、一般の人がIoTの恩恵を受けられるようになると思います。直近のビジネスとしてはBtoBですが、将来的にはBtoCもやっていこうと思っています。戦略的には、まず企業側から普及していって、BtoBtoCに展開していく。Bの企業さんから、さらにCに展開するまでのところをお手伝いできるというところが弊社サービスの強みだと思います。

IoT-DX-Kitの特徴は、パッケージ化された選べるソリューションです。選べる多数のソリューションキットごとに、「基板」「SIMカード」「センサー」「組み立て」「プログラムの書き込み」「通信」「可視化ツール」がパッケージ化されていて、設置して電源を入れるだけで、すぐにブラウザ上でデータが確認できます。

手のひらサイズの基板

スマートシティも実現可能

カテゴリーで言えば、たとえばオフィスIoT/DX、街つくりIoT/DX、農業IoT/DX、インフラIoT/DX、医療IoT/DX、位置情報IoT/DX、環境IoT/DX、モビリティIoT/DX、食品管理IoT/DX、工場IoT/DX、ヘルスケアIoT/DX、見守りIoT/DX…。その中に、さらにいろいろなIoTがあります。会議室の空室管理、オフィスの空調管理、農家向け環境計測キットなど。スマートシティなどは百個もあれば余裕でできてしまいますね。即、実運用できて、法律を遵守していて特区でなくても普通に使えるので、自治体もお客さんになり得ます。

これからの世の中、どの業界もIoT/DXを実現しないと生き残っていけないと思います。今までのITの世界は、いかにIT化された情報をデータにしてゴリゴリ書くか、整理するか、分析するか、みたいな話でしたが、そもそもデータがどうやって上がってくるの、というところがありませんでした。弊社の強みは、今までみんなが手を付けていなかった「データを取得するためのシステム」を低コストで提供できますよ、というところなんです。

ーーどれぐらい低コストなんですか?

従来であれば数十万〜数千万円かかるIoT/DX環境構築を、通信費込みで月額1,000円から*実現できます。様々なIoT製品開発のノウハウを活かし、デバイスを自社開発することによって低価格を実現しました。(*キャンペーン価格を含む)

単独で通信するのでWi-Fiなどのインターネット環境を新たに構築する必要がありません。コンパクトサイズで、様々な環境下での運用が可能です。

まだ日本でしか考えていないのですが、電波タイプとしてはグローバルで使えます。将来的にはアジアなどでもかなりニーズがありそうです。

IoT普及をめざして

ーーCAMI&Co.の経営者として、イノベーティブなアイデアの創出や、イノベーティブ人財の育成について、どのような仕組みづくりや工夫をしていますか?

人材育成に関しては、我々自ら教育の事業もしているので、そういう教育ができる人を作るために、社内でも勉強会を開催したり、社外研修に行ってもらったりしています。IoTを教えるには、IoTの技術がわからないといけないので、技術と教育は密接に繋がっていると思います。あとはOJTで、できる人と一緒に仕事をしながら覚えてもらいます。

ーーIoT入門としては、神谷さんが最近お書きになった本が、大変わかりやすく、勉強になります。

IoTが広まればいいな、という想いを込めて出版をしました。
https://www.amazon.co.jp/最新-図解で早わかり-IoTビジネスがまるごとわかる本-神谷-雅史/dp/480071222X
そんなに難しいことは書いていなくて、一般的な内容を一通り書きましたので、これを見てIoTを始めようという人が増えればと思います。

株式会社CAMI&Co. 代表取締役 神谷 雅史 氏

ーー小中学生、高校生、大学生など若い世代に伝えたいメッセージは?

20代までは、仕事の量をこなす必要があると私は思います。その量が30代、40代になって、質に変わっていくのです。仕事に限らず、勉強することはたくさんあると思います。今まで日本が成長してきたのは、やはり量をやってきたから。大量の人が大量の量をやってきたからこれだけ成長したわけです。それが今は、人も少なくなっているし、量も減っているから、このままでは10年後、20年後、本当に使える人財がほとんどいないというような状況になるのではと危惧しています。そうなると、ハングリーな外国人たちが日本でどんどん活躍して、優しくておとなしい日本人は何も活躍できないというのが目に見えていると思います。

社会が若い人をあまり働かせない風潮も感じますが、「自分は活躍するぞ」と思って、若いうちはまず量をこなしたほうがいいというのが、最近すごく思うことです。

若い頃の仕事量がクオリティに

自分も20代は徹底的に仕事の量をこなしましたね。朝の9時から朝の4時まで平気で働いていたので、さすがに血を吐きそうでしたが、自分の限界に挑戦するのも貴重な体験です。人の2倍、3倍働いて、人の3倍、4倍成長する、というのを20代の頃に経験したから、今は30代になって、それが自然にクオリティに変わり、もはや量をこなさなくても一通りのことはわかる、という感じです。

学生時代もけっこうがんばりました。悔しいと思いましたね、できないことが。今の世の中、「できなくてもいいじゃん、いろんな価値観あるじゃん」みたいな感じに流れてしまう人が多いように見えますが、日本の将来が心配ですね。

ベンチャー企業と自治体が繋がる街、五反田

ーーCAMI&Co.をはじめ、テクノロジーで社会課題に挑戦するイノベーティブな企業が集まる、通称「五反田バレー」地区の魅力や、企業と地域の関わりについて、教えて下さい。

五反田に来て2年経ちました。家賃が手頃でベンチャー企業には魅力的でした。この状態が変わらないでほしいですね(笑)。品川区自治体にもお世話になり、ことあるごとにコミュニケーションを取り合っています。

株式会社CAMI&Co.様へ
「次世代レポーター」からの取材感想

「今回、株式会社CAMI&COへインタビューするまで恥ずかしながらIoTという言葉を耳にしたことがなかったため、どこか自分とは遠い世界のものだと思っていた。しかし、実際に話を聞いてみるととても身近なものになりつつある技術であることがわかった。
 世の中を豊かにしていくという大きなミッションをどのように実現していくか、普段、私が考えることがないようなものをどのように考えているのかインタビューを通して感じることができた。また、大学生や高校生などの若い世代に何を求めているか聞いたところ、とにかく量をこなすことという回答をいただいた。神谷社長自身も20代の頃はとにかく量をこなしたという。それが今に繋がっていると考えるととても大切なことだと思える。自分自身が今なにをするべきか、そのヒントになったように感じた。
 インタビューを通じて、普段見ることのない世界を見ることができたことが非常によい体験になった。」(立正大学心理学部3年 馬塲 孝佳)

株式会社CAMI&Co. ロゴマーク

株式会社CAMI&Co.主催「IoT-DX-Kit」発表イベント – 2019年10月2日(水)博報堂ラーニングスタジオ

株式会社CAMI&Co.は 2019年10月2日(水)に新サービス 「IoT-DX-Kit」と RPAホールディングス株式会社との提携に伴い、発表会を開催しました。新サービスの説明のほか、 ゲストにオープンプラットフォーム戦略の第一人者である 慶應義塾常任理事の國領二郎教授を招き、 次の時代のIoT/DXを考えるクロストーク、 懇談会などが行われ、様々な業界の関係者、著名人、メディアが多数集い、参加者様同士が情報交換や交流を楽しみました。

CEATEC – 2019年10月15日(火)〜18日(金)幕張メッセ

あらゆる産業・業種による「つながる社会、共創する未来」をテーマとしたビジネス創出のための、人と技術・情報が一堂に会する場、経済発展と社会的課題の解決を両立する「超スマート社会(Society 5.0)」の実現を目指すCEATEC2019に、株式会社CAMI&Co.も出展しました!

CEATEC 2019(株)CAMI&Co.ブースで「IoT-DX-Kit」の説明をする広報担当:西川 安奈 氏

品川区のイベントに登壇!

株式会社CAMI&Co.が、企業プレゼンします!

聞き手:木村京子(エシカルコンシェルジュ)

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